日本医学会が子宮の移植を認める報告書を公表したことを受け、生まれつき子宮のない「ロキタンスキー症候群」の女性は「人生の選択肢が増える」と評価した。
 診察に当たる医師や患者団体によると、患者の多くは10代後半になっても月経が始まらないことをきっかけに受診し、医師から「子どもは産めません」と疾患を告げられている。思春期の不安定な時期に、それまで思い描いていた「結婚・出産」という人生観をひっくり返す出来事だ。
 ロキタンスキー症候群のある20代女性は「告知が『子宮移植という方法もあります』に変われば、希望を持てる人がいると思う」と受け止める。同症候群の女性が結婚を考えるとき、子どもを産めないからと相手の家族に反対される場面が、少し減るのではないかとも期待している。
 女性は告知を受けた当初、周囲に話すことができなかった。友人たちが輝いて見え、次第に疎遠になった時、思い切って打ち明けた。離れていった人もいるが、残った友人とは生涯付き合える深い関係ができたという。
 「子どもを産みたい」という気持ちはあるが、提供者にも負担が掛かる子宮移植は検討していない。ただ、これまで考えてきた養子縁組も、子どもが周囲から「血がつながっていない」と言われるのではないかと懸念している。
 子宮のない女性たちが抱える苦しみは、「子どもがいて一人前」「女性は子どもを産むもの」という周囲からの圧力による部分も大きい。女性は「皆が当たり前だと思っていることが、当たり前ではないと身をもって知った。いろいろな人がいることを、社会が受け入れられるようになればいい」と願っている。 (C)時事通信社