1年延期された東京五輪開幕まで、16日で1週間となる。23日の開会式に先立って、21日には福島県でのソフトボールで競技が始まる。インド由来のデルタ株による新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらず、機運は高まらない。15日には東京都の新規感染者数が1300人を超えた。「安心、安全」は担保されず、運営に不安を残したまま本番を迎える。
 7月に入って選手が徐々に入国し始め、13日には選手村がオープンした。ただ、コロナ感染の事例は既に出ている。検査体制や行動管理に不備が残ることから、ある五輪関係者は「一番の心配は選手村でのクラスター。あり得るのでは」と懸念する。
 来日する大会参加者はコロナ対策規則集のプレーブックに基づいて活動計画書の提出を求められるが、大会組織委員会の関係者は「整っていない」と顔を曇らせる。特に入国後14日間の行動管理は、感染予防策の肝だけに見過ごせない。
 選手に陽性者が出た場合の競技別指針は、概要がようやく公表された。また、サッカーなど五つの団体競技では今大会の特例として、負傷者が出た場合などに備えるバックアップメンバーも含めて毎試合入れ替えが可能に。いずれも7月になって発表され、対応を急ぐ競技団体もある。
 懸案だった観客の扱いは8日の5者協議などで決着したとみられていたが、直後の2日間でぶれた。全会場の無観客は首都圏1都3県に加えて、いったんは制限付きで観客を入れるとしていた北海道、福島県も対象に。大会関係者は「(判断が)遅い」と嘆く。
 組織委が900億円を見込んでいたチケット収入の多くが消え、大会後には政府、東京都との負担協議が待つ。チケットを販売した会場の約97%が無観客となり、ボランティアに加え、医療や警備も再編を迫られる。混乱は避けられない。 (C)時事通信社