【ニューヨーク時事】米金融大手6社の2021年4~6月期決算が15日、出そろった。全社とも純損益が大幅に改善。経済活動の再開が進み、新型コロナウイルス危機を受けて積み上げていた貸倒引当金を戻し入れたため、利益が大きく押し上げられた。ただ、企業などへの融資は本格回復に至っておらず、資金需要の動向が今後のカギを握りそうだ。
 貸倒引当金は、景気が悪化した際に、融資先の破綻などに備えてあらかじめ一定額を積み立てて、損失処理しておく制度。景気が回復して不要となれば、取り崩して利益計上できる。
 融資などの商業銀行業務を中心とする4社は、前年に多額の引当金を計上していた。最大手のJPモルガン・チェースは今期に引当金30億ドル(3300億円)を戻し入れ、純利益は前年同期比約2.5倍の119億ドル(1兆3000億円)。ダイモン最高経営責任者(CEO)は「経済見通しの改善が続き、消費者、企業とも財務は大変強固だ」と語る。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)なども同様に大幅増益となった。
 企業の合併・買収(M&A)や新規株式公開(IPO)が活発だったため、助言や株式引き受けなどの投資銀行業務も好調。投資銀主体のゴールドマン・サックスの純利益は前年同期比で15倍近くに膨らんだ。
 一方で、貸出金残高は下げ止まりつつあり、JPモルガンは前年同期比で小幅プラスに転じた。バンカメのモイニハンCEOは「消費支出は、新型コロナ危機前の水準を大きく上回っている」と今後の回復に自信を示す。ただ、米国でも、新型コロナ変異株の感染拡大が懸念されており、先行きは楽観できない。 (C)時事通信社