【ロンドン時事】新型コロナウイルスの法的規制が来週ほぼ全面的に解除される英イングランドで、マスク使用をめぐり混乱が生じている。政府が着用を義務から推奨に方針転換する一方、一部自治体は独自の判断で公共交通機関での着用継続を決めた。店内でのマスク利用を求めるスーパーもあり、まさに「マスク・カオス(マスクをめぐる無秩序)」(英紙デーリー・メール)の状態だ。
 ジョンソン首相は12日の記者会見で、19日にほぼ全ての社会的規制を解除する方針を確認、今後は個人の判断で感染対策に努めるよう訴えた。19日からは社会的距離に関する規制は廃止され、マスク着用も人混みの中では奨励されるが、義務ではなくなる。
 国内では最近、変異株の影響で感染者が急増中で、マスク任意化が感染をさらに押し上げると懸念する声も多い。ロンドンのカーン市長は「利用者を危険にさらしたくない」として、地下鉄などでのマスク着用義務を継続する権限を発動。大手スーパーのセインズベリーとテスコは、政府方針にかかわらず店内でマスク着用を続けるよう顧客に要請した。「矛盾するメッセージ」(英メディア)に国民の間では戸惑いが広がっている。
 一方、13日公表の調査会社イプソス・モリの世論調査結果によると、規制解除後のマスク利用をどうするか問われ、7割以上が「公共交通機関や店舗内では着用を続ける」と回答。多くの人がジョンソン政権の方針に懐疑的である状況が浮かび上がった。 (C)時事通信社