マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」の感染者が2020年は420件(暫定値)報告され、過去最多となったことが16日、国立感染症研究所への取材で分かった。マダニが媒介する感染症は死に至ることもあり、厚生労働省は、最近人気のキャンプなど野外で活動する人たちに注意を呼び掛けている。
 感染研によると、日本紅斑熱は近年感染者が増加傾向にあり、17年には337件を記録。18年は305件、19年は318件報告されていた。19年は13人が死亡した。
 20年の感染報告が増えたことについて、感染研は検査体制の充実に加え、寄生するシカやウサギなどの野生生物の生息域が国内で拡大するとともに、病原体を持つマダニも広く分布するようになったとみている。
 同様にマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は19年に102件、20年に75件の感染が報告された。従来は西日本を中心に報告されていたが、17年に千葉県、今年3月に静岡県で感染者が確認されるなど、以前よりも広がりつつある。
 こうした中、厚労省が注意喚起の対象に選んだのがキャンプをする人たちだ。日本オートキャンプ協会によると、20年にキャンプをした人は推定610万人。コロナ禍で前年比30%減だが、「密」を避けられるレジャーとして注目され、新たに始める人が増えている。
 このため厚労省は、キャンプを題材にしたアニメ「ゆるキャン△」と連携したポスターを作成し、野外では長袖長ズボンを着たり、虫よけ薬を使ったりして、ダニの侵入を防ぐ工夫を助言。ダニはペットに付着することもあり、ブラッシングや投薬といった対策も必要と呼び掛けている。 (C)時事通信社