【ワシントン、北京時事】アジア太平洋経済協力会議(APEC)臨時首脳会議が16日、オンライン形式で行われ、新型コロナウイルス危機からの脱却に向け、結束して感染抑制と経済回復を目指すとした首脳声明を採択して閉幕した。対立を深める米中の首脳は、ワクチン供給やインフラ整備で互いをけん制し、巨大経済圏の主導権争いを繰り広げた。
 バイデン米大統領は就任後初めてのAPEC出席となり、トランプ前政権が距離を置いた多国間連携への復帰を演説でアピールした。影響力拡大を図る中国の習近平国家主席に対抗し、人権や法の支配を尊重する「自由で開かれたインド太平洋」の実現を米国が主導すると訴えた。
 一方、習主席は「ワクチン外交」の成果を誇示した。新華社通信が伝えた演説内容によると、習氏は中国が途上国向けにワクチンを「5億回分以上」供給したと述べ、米国が国際公約している5億回分を上回ったことを強調。3年間で30億ドル(約3300億円)の国際支援を行う方針も明らかにした。
 米中はインフラ整備をめぐっても火花を散らした。米政府は今回の会議に関する声明で、米国が先進7カ国首脳会議(G7サミット)で提案した途上国向けインフラ整備支援構想に言及。中国が経済圏構想「一帯一路」と関連付けてワクチン外交を進めていることを念頭に、「ワクチン供給に政治・経済の条件を付与すべきでない」とした。 (C)時事通信社