東京五輪の開幕を控え、海外の選手らが各地の事前合宿に続々と入っている。新型コロナウイルス対策で選手への制約は多く、自治体は買い物や気晴らしなど日常生活の支援に奔走。密にならない応援でも知恵を絞る。
 ソフトボールのイタリア代表を受け入れている仙台市。羽田空港からの移動では新幹線1両を貸し切りにし、行動範囲も厳しく制限する。そうした中でも地元中学生とオンラインで交流し、生徒らが考案したスイーツを口にした選手が画面越しに「ボーノ(おいしい)」と伝えるひとときもあった。
 富山県南砺市ではセルビア人選手のコロナ陽性が空港で確認され、受け入れが中止になる一方、他にギリシャなど3カ国のボート代表39人が合宿入りした。選手のPCR検査を毎日行い、移動は練習場と宿泊施設の往復に限定。買い物の依頼が殺到し、市は毎朝リストをもらって対応しているが、「誕生日を祝うケーキと花束を買ってきて」「お金を下ろしてきて」など要望は多岐にわたり、「大変だ」(担当者)という。
 福岡県みやま市はグアムとミクロネシア連邦の水泳選手ら6人を受け入れている。ストレス軽減策として、宿泊するホテルの一室を「リラックスルーム」にし、テレビゲームやカードゲームなどを置いたところ、「結構利用してもらっている」と担当者は安堵(あんど)する。
 競泳のハンガリー代表を受け入れる福島県郡山市では、地元のスイミングスクールに通う中学生の応援メッセージ動画を撮影し、練習会場の電光掲示板で放映。選手に好評で、市担当者は「本番ではインターネット交流サイト(SNS)で応援を呼び掛けたい」と話す。
 受け入れをやめた自治体も応援に力を入れる。感染拡大が続くインド選手団の事前合宿を中止した富山県黒部市は、動画投稿サイト「ユーチューブ」にインド応援チャンネルを開設。選手の紹介動画や応援動画を扱う。DVDに収めて選手村に送る予定だ。同国からは「キャンプは中止になったが、応援には感謝している」とのコメントがあったといい、市担当者は「コロナが収束したら交流を検討していきたい」と話す。 (C)時事通信社