新型コロナウイルスの影響で、東京五輪の会場では首都圏を中心に9割超のセッション(時間枠)で無観客開催となる。そうした中、有観客で競技が行われる宮城県などは観客に「直行直帰」を呼び掛け、対策の徹底を打ち出す。しかし試合前後の行動までは制限できず、「お願いベース」にとどまるのが実情だ。
 宮城県利府町の宮城スタジアムでは21日からサッカーが行われる。計6日間のうち2日間は1万人を上限に観客を入れ、他の4日間は3000~8000人となる見通し。試合は全て夕方~夜のため、県外からの観客は利府町に近い仙台市内に泊まるケースが多いとみられ、県は試合後に同市内で酒を飲んで会食し、感染が広がる事態を懸念する。
 村井嘉浩知事は「終わったら真っすぐ帰るよう呼び掛けたい」と強調。会場周辺のボランティアがプラカードで協力を求め、チラシを配り注意を促す。
 一方で、県内の1日の新規感染者数は6月上旬の1桁台から、7月は20~40人台に増えている。県は16日のコロナ対策本部会議で、仙台市内の酒類提供飲食店などに、21日から午後9時までの営業時間短縮を要請することを決めた。
 村井氏は有観客開催の考えを維持しており、会議では東北医科薬科大の賀来満夫特任教授が「県民を感染から守るためにも(無観客を)考えてほしい」と再考を促す場面も。県担当者は「飲酒して歓談するのは控えて、とお願いするしかない」と話す。
 静岡県は24日から計12日間、伊豆市などで観客を入れた自転車競技を開催。直行直帰や時差来場を呼び掛け、各地のパブリックビューイングも規模を大幅に縮小する。県の会議では、病院関係者から「無観客が望ましい」などの意見が出たが、川勝平太知事は13日の記者会見で「大会組織委員会と緊密に連携している。国も組織委も『有観客でできる』との考えで、私もそういう考えだ」と強調した。
 茨城県はカシマスタジアム(鹿嶋市)のサッカー11試合のうち3試合で、地元の小中学生や県内の私立高校の生徒約4000人を入れる。客席では前後左右1席ずつ空けて座るほか、2週間前からの健康確認などを求めている。 (C)時事通信社