日本骨代謝学会および日本骨粗鬆症学会は本日(7月19日)、出荷調整が続いている活性型ビタミンD3製剤アルファカルシドール(商品名ワンアルファ、アルファロール)、エルデカルシトール(同エディロール)について、供給が回復するまでの暫定措置として7項目を提言した。慢性腎不全などではアルファカルシドール投与が極めて重要であることから、骨粗鬆症患者へのエルデカルシトールの代替薬としてアルファカルシドールを用いるべきでないと両学会の公式サイトで呼びかけた。

長期処方を極力避ける

 エルデカルシトールおよびアルファカルシドールは骨密度上昇や椎体・非椎体骨折の抑制が報告されており、骨粗鬆症治療で重要な薬剤の1つである。後者は骨粗鬆症に加え、慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、くる病・骨軟化症に対する適応があり、これらの疾患においても治療上、必須の薬剤となっている。

 そのため両学会は、これらの疾患に対するアルファカルシドールの十分な供給確保に向け、最大限の努力を払うことが不可欠と強調。同薬の供給を確保する方策として、供給が不足している骨粗鬆症に対するエルデカルシトールをアルファカルシドールで代用しないなどを含む下記の7項目を提言した。

 今回の供給不足の背景には、後発品メーカーの日医工と沢井製薬が製造所変更に伴う技術移管の遅れや製剤製造所の構造設備の保守点検などに伴う出荷調整がある。また、先発品メーカーの中外製薬、帝人ファーマは、この事態により想定を上回る注文が考えられるとして、出荷調整を行う意向を公式サイトで示した。

  1. エルデカルシトールからアルファカルシドールへの変更は避ける
  2. 新規に骨粗鬆症治療を開始する場合は、エルデカルシトールやアルファカルシドールの処方を避ける
  3. アルファカルシドールまたはエルデカルシトールを他剤と併用中の場合は、必要性を見直し短期間の休薬が可能であればいったん休薬する
  4. デノスマブと併用する場合、可能であればエルデカルシトールやアルファカルシドールを沈降炭酸カルシウム/コレカルシフェロール/炭酸マグネシウム配合錠(商品名デノタス)に変更する
  5. エルデカルシトールやアルファカルシドールを単剤で処方中は、他剤への変更を検討する。なお、骨粗鬆症治療は中断しないことが望ましい
  6. ビタミンD不足・欠乏に対しては、サプリメントとして天然型ビタミンDの補充を考慮する
  7. アルファカルシドールまたはエルデカルシトールを処方する場合は、長期処方を極力避け30日処方までとする

(日本骨代謝学会および日本骨粗鬆症学会の提言)

(田上玲子)