新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症(Long COVID)に関する過去最大規模の国際研究の結果が明らかになった。英米の研究者らを中心にLong COVIDの研究を行っているPatient-Led Research CollaborativeのHannah E. Davis氏らは、オンライン調査で得られた3,700例超のデータからLong COVIDの特徴を検証。ほとんどの患者が35週を超えて症状が持続し、特に疲労、労作後の倦怠感、認知機能障害が多く認められたと、EClinicalMedicine2021年7月15日オンライン版)に報告した。(関連記事:「若年のコロナ、自宅療養例でも半数程度に後遺症」)

症状203種の有病率を推定

 Davis氏らはCOVID-19患者の支援グループやSNSを通じ、2020年9月6日〜11月25日にCOVID-19疑い例および罹患例を対象にオンライン調査を実施。データは56カ国から収集され、2020年6月以前に発症し症状が28日を超えて持続している3,762例(罹患例1,020例、疑い例2,742例)の回答を分析した。

 分析では、10カ所の臓器における症状203種の有病率を推定し、そのうち66種を7カ月間超にわたり追跡した。他にも、Long COVIDが生活や仕事へ及ぼす影響、元の健康状態への復帰状況などを調査した。

疲労、労作後倦怠感、認知機能障害が多発

 分析の結果、35週を超えて症状が持続した患者は回答者の91.8%を占め、65%は少なくとも6カ月までになんらかの症状を経験していた。症状の重症度と平均症例数の継時的評価からLong COVIDの経過を推定したところ、重症および超重症の割合は4週までの急性期にピークを迎えた一方、中等症および軽症の割合は発症後徐々に上昇していた()。

図. 重症度スコアの継時的変化

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 回答者が経験した症状の数は、55.9±25.5(平均値±標準偏差)だった。臓器のカテゴリー別に見ると、全身性および頭頸部(HEENT)症状がほぼ全例で、また筋骨格、心血管、消化器、肺・呼吸器の症状は85%以上に認められ()、これらは時間経過とともに多様な有病率を示した。個々の症状別では、疲労、労作後の倦怠感、認知機能障害が特に多かった。

表. カテゴリー別に見た症状の有病率

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(図、表ともEClinicalMedicine 2021年7月15日オンライン版)

 さらに回答者の仕事への影響を調べたところ、45.2%が罹患前と比べ仕事の量を減らす必要があったと答え、22.3%は勤務が不可能だった。

 以上の結果について、Davis氏らは「Long COVIDは多臓器に影響を及ぼす不均一性の後遺症であり、予後の悪化に大きく関与することが示唆された」と指摘。「Long COVIDのこのような不均一性を考慮すると、病態生理の理解と効果的な治療法の開発には集学的な研究が必要である」としている。

(平山茂樹)