【ワシントン時事】バイデン米大統領(78)が就任して20日で6カ月となる。新型コロナウイルス対策や米国の国際協調への回帰を軌道に乗せ、「つなぎの大統領」との下馬評を覆し、歴代大統領にできなかった困難な課題に着手した。ただ、実績作りを急ぐ強気の政治は危うさもはらむ。
 ギャラップ社世論調査の直近の支持率は56%で、就任直後(57%)の水準をほぼキープ。同期間でトランプ前大統領は6ポイント、オバマ元大統領は9ポイント支持率を下げており、バイデン氏の安定感が光る。
 コロナ対策では低所得層への再配分を進め、インフラ整備計画では法人税増税を含む「大きな政府」を推進。「民主主義対専制主義」の対決と捉え同盟国の包囲網形成に動く対中政策も、中長期の覇権争いを見据える。史上最高齢で米大統領となったバイデン氏に対し、就任前は1期限りの緊急登板という見方が大勢だったが、それも確実とは言えなくなってきた。
 腹心のクレイン大統領首席補佐官は、バイデン氏が2024年大統領選でのトランプ氏との再対決も念頭に「強力な実績を集めたいと願っている」と語る。22年には民主党が上下両院の多数を維持できるかが懸かる中間選挙があり、レガシー(政治的遺産)を残すのは今しかないという見方がある。
 一方、バイデン氏が「米史上最長の戦争を終わらせる」と開始したアフガニスタン駐留米軍の全面撤退は、政権の足かせになるリスクが出てきた。歴代政権が先送りしてきた末の政治決断を支持する声がある中、反政府武装勢力タリバンが支配地域を拡大し、治安は悪化。「驚くべき洞察の欠如」(ブルッキングス研究所)と準備不足を批判する意見がある。
 バイデン氏は支持率を底支えする民主党左派の不満に慎重に目配りするが、一方で後退しているのが就任時に誓った米国の「団結」の理念だ。
 バイデン氏は最近も黒人らマイノリティーが不利な状況に置かれる可能性がある各州での投票厳格化に関して「恥を知れ」と共和党を非難。共和党はいまだに大統領選の敗北を認めないトランプ氏が党の中心におり、超党派での政策推進の機運は遠のいている。 (C)時事通信社