【ロンドン時事】19日に新型コロナウイルスの法的規制がほぼ全て解除された英イングランドでは、マスク着用義務や社会的距離に関する規制が廃止され、閉鎖が続いていたナイトクラブも営業を再開、パンデミック(世界的大流行)以前の日常に戻りつつある。ただ、変異株の影響で感染は拡大を続けており、解除が「再度のロックダウン(都市封鎖)を招くのではないか」と不安を訴える声も目立った。
 BBC放送によると、中部リーズのナイトクラブは解除時刻の19日午前0時(日本時間同8時)に合わせて開店、待ちかねた大勢の若者がダンスに興じた。会場内ではマスクを着けたり社会的距離を取ったりする必要もなく、若者たちは「(規制から)自由になれてうれしい」「この日をずっと待っていた」と口々に語った。
 一方、ロンドン中心部の買い物客が集まる繁華街オックスフォード・ストリートでは、着用義務が原則廃止されたにもかかわらず屋内外でマスクをしている人の姿が目立った。中部リバプールから観光に来たニック・シモンドソンさん(65)は「(感染が)心配と、大丈夫という気持ちと半々。(感染増で)またロックダウンになるのではないかという懸念もある」と指摘。フランス出身の店員オリアンヌ・ファブリグルさん(31)も「この状況で規制をなくすのは賢い選択でない」と語った。
 19日公表の調査会社ユーガブによる世論調査結果では、規制解除を決めた政府判断の是非を問われ、55%が「間違っている」と回答、「正しい」(31%)を大幅に上回った。パーティーやナイトクラブに行くことに「不安を覚える」と答えた人も5割を超えている。
 ジョンソン首相は、次の「感染爆発」が警戒される中で規制解除を強行した。長期にわたる規制からの解放を待ちわびていた人は多く、気温も上がり学校も休みに入る夏を迎えたこの時期を逃せば解除は難しくなると政治判断が下された。しかし、世論調査からは、感染急増中の解除に多くの国民が戸惑いを感じている状況が浮かび上がった。 (C)時事通信社