【ロンドン時事】感染で死ぬのは「80歳を超えた人たちだけ」で、そのために経済を破壊するわけにはいかない。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて英国内でロックダウン(都市封鎖)再導入が検討されていた昨秋、ジョンソン首相がこう考えて導入をためらっていたと、最側近だったドミニク・カミングス氏がBBC放送のインタビューで発言した。BBCが20日夜の放送を前に電子版で内容を伝えた。
 カミングス氏は官邸上級顧問を務め、官邸内で大きな影響力を持っていたが、昨年11月に首相らとの確執が原因で辞任。これまでにも議会などで首相批判を繰り返し、物議を醸している。
 BBCが報じたカミングス氏のインタビューによると、首相は昨年10月15日送信の携帯電話のメッセージで、感染死者の平均値が男女とも80歳超とした上で「これは平均寿命を超えている」と指摘。「60歳以下が入院する例はほとんどなく、してもほぼ全員生き延びる。医療が圧迫されるという話はもう信じない。80歳以上は最大300万人で、これはロックダウンしなくていいと示している」とも述べた。結局感染拡大が止まらず、首相は同月末にロックダウンを発表した。
 また首相は最初のロックダウンに突入する直前の昨年3月半ば、高齢のエリザベス女王との週1度の面会を継続するよう望み、カミングス氏が「女王は感染したら死ぬかもしれない」と警告して思いとどまらせなければならなかったという。
 カミングス氏の証言に対し、官邸側は「首相は最善の科学的助言に沿い、生活を守るため必要な行動を取った」(報道官)と反論。首相と女王との面会問題について、王室はコメントしていない。 (C)時事通信社