新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合が21日開かれ、ワクチン接種を済ませた65歳以上の感染者数が、未接種の10分の1以下に減少したとのデータが示された。ワクチン接種と感染の有無に関し、全国規模のデータが会合で明らかにされたのは初めて。
 ただ、全国的に感染の拡大傾向が見られるとして、東京五輪開幕前日の22日から始まる4連休について、「一層の危機感を持って対策に取り組む必要がある」と訴えた。
 厚労省によると、5~15日に確認された新規感染者を分析したところ、65歳以上で未接種の人は人口10万人当たり13.0人だったのに対し、2回の接種を受けた人は0.9人だった。
 東京都内の新規感染者に占める65歳以上の割合も減少傾向が見られた。ワクチン接種が始まる直前の3月下旬は全体の21.9%を占めたが、今月13~19日は3.7%にまで低下していた。
 一方、国立感染症研究所の調査では、接種後に感染した人が4~6月までに130人確認され、一部からは他人への感染力を保ったウイルスが検出された。専門家組織の座長脇田隆字・感染研所長は記者会見で、「ワクチンには発症や重症予防の効果はあるが、人に感染させるリスクは残る」と指摘した。
 20日までの1週間に確認された人口10万人当たりの新規感染者は、東京は前週の39.75人から59.33人と大幅に増加。埼玉(26.93人)、千葉(26.67人)、神奈川(33.20人)、大阪(23.91人)、沖縄(38.47人)も前週から増加し、全国での拡大傾向が鮮明となった。 (C)時事通信社