東京五輪を取材しようと入国した各国ジャーナリストらが活動を始めている。選手らと外部の接触を遮断する「バブル」に出入りするため、新型コロナウイルス対策規則集「プレーブック」の対象。外出は制限され、食事もホテルで取るのが原則だが、隔離中もコンビニは利用している。不自由な環境だが「この場に居られ光栄」「安全な五輪を開けるのは日本人」とつづった体験記を公表する記者もいる。
 ◇ルールに同意
 「スーツケースを開けるのもやっと。寝台列車みたい」。米公共ラジオ(NPR)のメネット・ケネディ記者は、まず客室の狭さに目を丸くした。電子版で伝えた体験記では「計68ページのプレーブックに記された厳しいルールは、理解できる」と同意。日本で必要回数のワクチン接種を済ませた人が、まだ約2割にとどまっていることが理由だと考えている。
 ホテルへ送ってくれた運転手にルール順守を促されると「守ります」と約束。体験記には、隔離中に朝食に出たご飯とみそ汁の写真を載せた。「あらゆる困難にもかかわらず、この場に居られるのは光栄」と不満は漏らさず、コロナ禍での五輪取材を貴重な機会と捉えているようだ。
 ◇深夜のカップ麺
 「東京は強制収容所で、収容者扱いされるイメージがあった」と打ち明けるのは、ロシアのメディア「スポーツ・ルー」のパベル・コパチョフ記者ら2人。ブログに「実際は違った。悪夢はなかった」とほっとした様子を記した。「誰かが安全な五輪を開催できるとすれば、それは一生懸命で礼儀正しい日本人」と、対応を称賛した。
 2人は夕方の便で到着して空港で検査を重ね、ホテルにチェックインしたのは午後11時。「幸運にも隣のスーパーが開いていて、軽食が取れた」。調達したのはおにぎりやノンアルコールビール。特にカップ麺が印象に残ったという。
 ◇「新しい日常」
 メインプレスセンターがある東京都江東区などには、指定ホテルが点在。首にIDカードをぶら下げた外国人が買い物に出る光景は珍しくない。中央区のコンビニを20日夜に訪れたロシア政府系テレビのプロデューサー、フョードル・グナチュクさんは取材に「不便だが、これが新しい日常だ」と語った。
 各国ジャーナリストらをめぐっては、隔離中でも1日15分以内ならホテルを出てコンビニなどに寄れることが明らかになり、バブル方式が破られると国内で批判が出ている。一方、「おもてなし」の掛け声で招致された東京五輪に際して「コンビニ飯」で長丁場の取材を続けるのも決して楽ではなさそうだ。 (C)時事通信社