【ハノイ時事】ベトナム政府は、4月下旬に再燃した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ハノイ、ホーチミン、ダナンの主要3都市に、市民の外出制限措置を導入した。昨年からの感染者は累計7万人を超え、死者は約370人。政府は厳格な制限措置で流行を抑え込みたい考えだが、1日当たりの新規感染者は連日5000人前後に達し、収束の兆しは見えていない。
 ホーチミンでは今月9日、不要不急の外出を禁止し、違反者に罰金を科すなど厳しい規制が始まった。19日にはホーチミンを含めた南部のほぼ全域に適用範囲が拡大された。
 工場の操業は、敷地内に寝泊まりするスペースを用意して労働者を合宿させるか、近隣に確保したホテルに労働者を宿泊させ、専用車両で工場との間を輸送することを条件とした。対応できない工場は、操業休止となった。
 北部に位置する首都ハノイでは19日、不要不急の外出を避け、自宅にとどまるよう市民に要請。事務所に通勤する人は、全従業員の半数に抑えることになった。中部のダナンでも22日、市民に買い物や職場への出勤などを除いて外出自粛を求め、タクシーや公共交通機関が運休となった。
 比較的早い段階から新型コロナを封じ込めてきたベトナムだが、ロン保健相は今回の流行について、「これまでより長期にわたり、一段と深刻な影響を及ぼす」と懸念。感染力の強いインド由来のデルタ株の広がりに強い危機感を示しており、厳格な制限措置とともにワクチン接種を急ぐ考えを強調している。 (C)時事通信社