【ワシントン、パリ、ソウル、北京時事】世界は23日の東京五輪開幕の動きをテレビなどで見守った。新型コロナウイルス禍で海外からを含めて「無観客」という異例の事態。反ユダヤ的発言で開会式担当者が解任される混乱も重なり、祝祭ムードには程遠い。
 五輪に参加国最多の600人以上の選手団を送る米国は、独占放映権を持つNBCが史上最長の7000時間の放送をテレビやインターネットで行う。競技に関心は高く、首都などのレストランに五輪観戦用の大型テレビが備え付けられた。ただ、コロナ禍で行動を制約される選手らに関し、ワシントン・ポスト紙はコラムで「顔はマスクで半分しか見えないが、誰も笑っていないのは明らか」と風刺した。
 2024年にパリ五輪を控えるフランスでは、公共放送が中継。日本とは7時間の時差があり、競技の視聴者数は限定的と予想される。13日に公表された世論調査結果によると、コロナ感染拡大を理由に仏国民の58%が東京五輪を開催すべきではないと回答。さらに五輪自体に対する仏国民の関心の薄さも浮き彫りとなり「興味がない」は68%、「興味がある」は32%にとどまった。
 18年に平昌冬季五輪が開かれた韓国では、反日感情も手伝い、日本の防疫態勢や大会運営の問題点ばかり注目され、選手や競技は陰に隠れがち。「無観客でお祭りムードが全くない。関心が向かない」(30代男性)と盛り上がりを欠く。首都圏は夜間の3人以上の集まりが禁止となり、30代の大手紙記者は「コロナが深刻でメディアも五輪で大騒ぎできる雰囲気ではない。友人知人で集まってビール片手に応援もできない」と話す。
 「中国加油(頑張れ)」「安全第一。無事に帰って来て」。中国ではソーシャルメディアの話題が自国選手団に集中。北京青年報は社説で「金メダル減少の勢いを止めて好成績を収めなければならない。同時にコロナ対策の模範を示せ」と鼓舞した。一方、来年2月に迫る北京冬季五輪の成功が至上命令で、組織委員会は東京の運営を参考にするため関係者34人を派遣。「有観客」開催も見据え、感染対策が最大の関心事のようだ。 (C)時事通信社