【ニューヨーク時事】バイデン米大統領が1月に就任してから半年。米株式市場では新型コロナウイルス危機に対応する大型経済対策やワクチン普及を追い風にダウ工業株30種平均が1割超上昇し、史上最高値圏での取引が続く。ただ、コロナ変異株の感染者数が米国でも急増しているほか、インフレ加速への懸念もあり、株価の先行きには不透明感も漂う。
 就任半年を迎えた20日のダウ平均の終値は3万4511ドル。23日には、史上初の3万5000ドルを突破して取引を終えた。
 この半年でダウ平均の上昇率は12%。バイデン氏はコロナ危機からの回復局面で就任したため、単純な比較はしにくい面もあるが、2017年1月のトランプ前大統領就任から半年間の10%を上回った。
 バイデン氏は就任後、大規模な経済対策を打ち出し、ワクチン接種を加速させる方針を表明。3月に1兆9000億ドル(約210兆円)規模の関連法が成立した。市場では「景気への即効性がある内容が多く、対策実行ペースも速い」(米エコノミスト)と評価する声が上がり、株高が一段と加速した。
 しかし、勢いには陰りもみえる。経済活動の正常化が急速に進んだため、人手不足や資材価格の高騰が深刻化し、インフレが加速。政権は「一時的なもの」と説明するが、市場では懐疑的な見方が多い。高インフレが長期化すれば、株価には逆風となりかねない。
 失業給付の上乗せなど3月の経済対策に盛り込んだ施策も、夏から秋にかけて期限切れを迎えるものがあり、景気回復と株高の勢いが息切れするリスクは少なくない。 (C)時事通信社