公明党の山口那津男代表は25日、秋までに行われる衆院選をにらみ、全国行脚を本格化させた。国政選挙並みに重視した東京都議選で8回連続の全員当選を果たしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で得意の人海戦術は制約され、「奇跡的な薄氷の勝利」(山口氏)と受け止めているからだ。衆院選でもこうした状況は変わらないため、同党は危機感を強めている。
 「(新型コロナ感染拡大の)難局を乗り越えるためには自公連立政権しかない」。山口氏は25日、大阪市や堺市など4小選挙区で遊説し、自民、公明両党による連携の意義を繰り返し強調。自民党の衆院議員らも駆け付け、衆院選に向けた結束をアピールした。
 大阪は公明党にとって、特に高い集票力を誇る「常勝関西」の重要拠点だ。ただ、昨秋の「大阪都構想」の住民投票では、公明は自民党府連とたもとを分かって賛成した経緯があり、自公連携に不安が残る。
 自公間のしこりはほかの地域にもある。初めて公認候補を立てる広島3区には斉藤鉄夫副代表を擁立するが、当初自民県連との調整が難航。東京12区では、太田昭宏前代表からの世代交代を目指すが、自民内には公明への候補一本化への不満が少なくない。
 近年の国政選挙での比例票は2017年衆院選で697万票、19年参院選は653万票と下落傾向にある。さらに、コロナの感染拡大が追い打ちとなり、支持母体・創価学会の組織力を生かした集会などが満足にできない状態だ。
 実際、都議選で公明は合計得票数を前回の約73万票から約10万票減らした。減少幅は投票率の低下以上で、党関係者は「比例代表800万票の目標はこのままでは厳しい」と嘆く。
 公明は都議選後、幹部が積極的に地方入りして、街頭演説や講演をこなすなど懸命に票の掘り起こしを図っている。山口氏も「われわれに力を貸してほしい」と懸命に支持を呼び掛けた。 (C)時事通信社