国の2020年度一般会計予算のうち、執行が遅れて21年度へ繰り越される額が過去最大の30兆円規模に達する見込みであることが26日、明らかになった。20年度は新型コロナウイルス対策に伴い、3度の補正予算編成で73兆円の歳出を追加したが、使い残した額はその4割に相当する。「規模ありき」で予算を積み増すのではなく、困窮している事業者などに支援を迅速に行き渡らせることが課題になっている。
 営業時間の短縮要請に応じた飲食店に対する協力金の支給事務が滞っているほか、観光需要喚起策「Go To トラベル」は感染拡大で事業が中断。コロナ患者を受け入れる医療機関を支援する「緊急包括支援交付金」や、業態転換に取り組む企業を支援する「事業再構築補助金」でも多額の繰り越しが発生する見通しだ。公共事業も執行の遅れが目立っている。
 国の予算は「単年度主義」で編成され、1年間で使い切ることが原則。ただ、実際には自然災害などで支出が終わらないケースもあり、例年数兆円が翌年度に繰り越されている。19年度の繰越額は6.6兆円で、これまでの最大は12年度の7.6兆円だった。20年度は、当初予算を含む歳出総額が過去最大の175.7兆円に達したことなどから、繰越額が突出して多くなっている。
 与党内では、コロナ禍で打撃を受けた経済の立て直しのため、21年度補正予算の編成を求める声が出ている。しかし、財務省は既存予算の着実な執行を重視。コロナ対策の予備費も約4兆円残っており、補正編成には慎重だ。 (C)時事通信社