新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は28日、全国の感染状況について「これまでに経験したことのない感染拡大となっている」との見解を示した。感染増が著しい東京都については、病床が逼迫(ひっぱく)するなどして「通常であれば助かる命も助からない状況になる」と強い懸念を示した。
 専門家組織は、首都圏や大阪府、沖縄県で「急速な感染拡大となっている」と指摘。インド由来のデルタ株の広がりや、緊急事態宣言後の都内の人出の減少幅が前回の宣言時と比べて小さい点を踏まえ、「危機感を行政と市民が共有できていないことが最大の問題」と訴えた。
 国立感染症研究所の推定によると、都内の新規感染者に占めるデルタ株感染の割合は、28日時点で77%。この日提出された京都大の西浦博教授らの試算結果では、東京五輪閉会式の8月8日には79.7%、同21日には90%超に達するとされた。
 会合では都医学総合研究所が都内の人出状況を分析した結果も示された。前回の緊急事態宣言では発令2週間後に40.7%減少したものの、今回は15.8%減で、半分以下にとどまるという。
 27日までの1週間に確認された人口10万人当たりの新規感染者は、東京が前週の59.33人から88.63人と大きく増加。埼玉(42.57人)、千葉(39.51人)、神奈川(45.44人)の首都圏3県と大阪(36.33人)、沖縄(82.59人)両府県も前週から急上昇した。 (C)時事通信社