近年、女性特有の健康問題として膣に関する悩みがクローズアップされており、対処法として乳酸菌などのプロバイオティクスの有用性が指摘されている。今年(2021年)7月に「乳酸菌UREX」を発売した帝人は、7月13日に記者説明会を開催。乳酸菌を活用した女性のデリケートケアについて、東京大学婦人科学准教授の原田美由紀氏が講演した。

女性の膣の悩みは膣内フローラの乱れから

 同社が今年5月に全国20~50歳代の女性1,000人を対象に行った調査によると、87%がデリケートゾーン(膣)に悩みを感じたことがあり、うち77.5%はその悩みを医療従事者に相談したことがないと回答した。主な悩みの内容は痒み(72.2%)、臭い(44.1%)、ムレ(39.9%)などであった。

 原田氏によると、このような女性特有の悩みを引き起こす原因は膣内フローラの乱れだという。膣内には"善玉菌"と"悪玉菌"が生息し、乳酸菌などの善玉菌が優勢な状態=膣内フローラが整っている状態では膣内が弱酸性に保たれ、悪玉菌の侵入を防ぐことができる。一方、大腸菌・カンジダ菌などの悪玉菌が繁殖している状態=膣内フローラが乱れている状態では、おりものに変化を来したり、臭いが強くなったり、痒みが発生したりすることがある。

 膣内の善玉菌は膣の過剰な洗浄、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、抗生物質の服用などで減少する。善玉菌が減少すると膣内は悪玉菌が繁殖しやすい環境となり、不快な状態を引き起こすリスクが高まる。

 細菌性膣症に罹患する人の半数以上は無症状との報告もあり、同氏は女性に向けて「普段から自身でおりものの状況をよくチェックしておき、おかしいと思ったらきちんと受診し、相談することが大事」と呼びかけた。

元気な乳酸菌が膣内に長くとどまり、腸内フローラを良好に

 原田氏は、予防医学の領域で近年注目されるプロバイオティクスについて解説。「適正量を摂取した人に有用な作用を示す生きた菌」と定義した上で、該当する菌種として乳酸菌、ビフィズス菌などを挙げた。ただし、同じ乳酸菌でも効果がある株とない株が存在すると指摘。3種類の乳酸菌株を下痢症状のある乳児に摂取させた研究では、ある株では1.8日で症状が改善したが、他の株では2.6日と2.8日を要したことが示されている(J Pediatr Gastroenterol Nutr 1995; 20: 333-338)。

 同氏は、乳酸菌UREXの有用性を示した研究を紹介した。UREXには、2種類の乳酸菌株(GR-1、RC-14)がバランス良く配合されている。いずれも人の臨床試験を含む研究で安全性が確認され、膣内に届き定着することが確認されている(Clin Diagn Lab Immunol 2002; 9: 92-96)。

 これまでに明らかにされたUREXの特徴として、①元気な乳酸菌が膣内に長くとどまる(被験者の半数以上で摂取21日後も残存)②細菌性膣症のリスクが高い被験者の割合を減少させる〔摂取8週後に膣症のリスクが高い(Nugent Score 7以上)女性の割合が28%から2%に減少、J Med Food 2004; 7: 223-228〕③細菌性膣症のリスクが低い女性の健康な膣内フローラを維持する―などが挙げられる。

図. 乳酸菌UREXの細菌性膣症のリスクへの影響

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(記者説明会資料を基に編集部作成)

 同氏は「膣内フローラを良好な状態に保つことにより、女性特有の悩みから解放されて健やかな人生を送ることができる」と述べ、乳酸菌UREXの活用に期待を示した。

編集部