【ロンドン時事】英国の人口の大半を占めるイングランドで先週、新型コロナウイルスの規制がほぼ全面的に解除された後、国内の新規感染者数の減少傾向が続いている。人との接触が増えて感染者が激増するとの当初の懸念に反し、「歓迎すべき驚きの逆転現象」(BBC放送)。政府は引き続き緊張感を持って警戒するよう呼び掛けている。
 政府は今月19日、感染急増の最中だったにもかかわらず、ワクチンの効果が発揮されているとしてイングランドでの規制解除を強行。マスク着用義務や屋内交流の人数制限など、残っていた規制がほぼ全て撤廃された。ナイトクラブもパンデミック(世界的大流行)後初めて再開。このため解除後に「感染爆発」が起き、夏中に1日当たりの感染者が10万~20万人に達するとの予想も出ていた。
 ところが保健省のまとめによると、27日の新規感染者は約2万3500人と7日連続で減少。規制が解除された19日は約4万人で、17日の約5万4000人と比べると半分以上減った。感染者1人が平均してうつす人数「実効再生産数」も1以下と伝えられる。
 各メディアは減少の理由について専門家らの見解を紹介。ランカスター大のクリストファー・ジュエル博士(疫学)はタイムズ紙に「学校が夏休みに入ったことや、(屋外で交流するなど)人々の行動パターンが変わったこと」を主な要因とし、別の専門家もBBCで「夏休みと(個々人の)警戒レベルの向上」を挙げた。11日まで行われたサッカーの欧州選手権で応援や観戦に出掛けた若者らの間に感染が急拡大したものの、その後落ち着いたとする見方も伝えられた。
 ジョンソン首相は「励みになる」と減少傾向を歓迎。一方、規制解除が感染状況にどのような影響を及ぼしているか完全には明らかでないとし、「(コロナ禍が終わったという)早まった結論に至らないよう」国民に訴えた。 (C)時事通信社