厚生労働省は30日の閣議で、2021年版厚生労働白書を報告した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、女性の家事・育児の時間が延び、負担が増加している状況を紹介。「性差によって負担に偏りが生じない社会づくり」など、コロナを受け顕在化した課題への対応を加速化する必要性を強調した。
 白書では、感染拡大に伴う自粛生活により、20年5月の時点で女性の家事・育児時間が前年12月と比べ11.7%増え、男性の増加幅(3.6%増)を上回ったと分析。女性の負荷が増す中、政府統計で若者とともに女性の自殺や配偶者からの暴力(DV)相談件数が増えていることへの懸念を示した。
 また、男性や女性全体と比べ、子育て中の女性は休業者の割合が高く、労働時間の減少も顕著になっていると言及。非正規労働者の減少も男性より女性の方が目立つと指摘しており、女性の割合が高い飲食業などがコロナ禍でパートを減らした影響が表れた形だ。
 一方で白書は、在宅勤務の増加で男性の家事・育児時間も増えているとしており、男女で負担が偏らないよう、意識改革や働き方改革などをさらに進める必要性を明記。この他、新型コロナで浮き彫りになった課題として、危機に強い医療・福祉の構築や孤独・孤立対策なども挙げ、新たな感染症に備えた体制や、地域住民を支援する環境の整備に平時から取り組む方針を示した。 (C)時事通信社