【サンパウロ時事】ブラジルの最大都市サンパウロで、新型コロナウイルス対策のため黒いマスクを着用していた黒人男性警官2人に対し、上官が「着用しているかどうか分からない」と白色に替えるよう強要し、人種差別で最近になって告訴された。サンパウロ州公安局が明らかにした。
 事件があったのは昨年9月22日深夜。パトロール中の軍警察官2人に、上官が公衆の面前で「マスクはどうした」と何度も怒鳴りつけた上で「黒いマスクでは着用しているかどうか分からない」と交換を命じた。上官はさらに別の場所でも執拗(しつよう)に迫ったため、警官の一人は泣きだしたという。
 軍警察はマスクの色を黒、白、灰のいずれかに限定。多くの警官は黒を着用しているが、上官は「服務規定違反だ」と主張し、懲罰をちらつかせた。
 ブラジルは米国などと比べて人種差別が比較的少ないとされるが、黒人への偏見は根強く、差別は法で禁じられている。最近も7月28日に首都ブラジリアの歩道上で立ち止まってスマートフォン映像を撮っていた黒人の親子に対し、通り掛かった64歳の白人女性が暴言を吐き、警察に一時身柄を拘束された。 (C)時事通信社