新型コロナウイルス患者のうち、重症者以外は原則自宅療養とする政府の方針に戸惑いが広がっている。4日、サラリーマンらからは不安の声が上がる一方、コロナ患者の対応に追われる病院からは「仕方ない」という声も漏れた。
 クールビズ姿の人々が行き交う東京・新橋。まだワクチンを打てていないという千葉県のアルバイト女性(57)は政府の方針に「考えられない」とあきれた様子。「1人暮らしの人は大変だと思う。そうでなくても家族にうつる可能性があるので、自宅とは違う場所で療養してほしい」と話す。
 横浜市の会社員男性(49)も「去年から(コロナで)騒いでいたのだから、もっと前から対策を立てても良かったと思う」と政府の対応を疑問視。ただ、「現状ではこうするしかないのでは」と、制限には一定の理解を示した。
 横浜労災病院(横浜市)の中森知毅・救急災害医療部長(57)によると、同病院のコロナ患者受け入れ病床は7月以降、ほぼ満床の状況が続いており、「限界一歩手前の状態」という。
 感染拡大のため今後も患者数は増える見込みで、中森さんは「コロナ以外の急病患者も多く、そういった人に対応するためには正直仕方がないと思う」と話した。
 一方、中野共立病院(東京都中野区)の山本英司院長(59)は、重症者以外を原則自宅療養とすることに「保健所は今でも多忙だ。誰が責任を持って健康管理をするのか」と疑問を呈す。患者が外出して感染を広げる可能性も指摘した。
 高齢のコロナ患者の搬送先が約7時間決まらなかったこともあるといい、「今の状況では中等症の人が重症になった時にすぐ入院できるかも分からない」と懸念を示した。 (C)時事通信社