愛知県豊橋市の産婦人科・小児科クリニックの男性院長(68)が、飲酒後に出産手術をしたとして、市保健所が院長に改善を求めていたことが5日、分かった。生まれた男児の40代父親=同市=によると、出産直後に心肺機能が低下するなど、一時生命が危ぶまれる状態となり、別の病院に搬送されたという。
 保健所や父親によると、7月25日午前5時半ごろ、20代の母親は陣痛が強くなり、かかりつけの同クリニックを訪問。午後7時ごろ分娩(ぶんべん)室に移ると、午後8時すぎにアルコール臭がする院長が入ってきた。
 男児は午後9時前に生まれたが、心肺機能の低下や頭部に内出血などの症状があり、別病院の新生児集中治療室(NICU)に緊急入院。人工呼吸器や輸血などの措置が施された。搬送の際、父親が院長に「お酒を飲んでいますよね」と尋ねると、認めたという。
 保健所は7月28日、父親からの報告を受け、院長に聞き取りを実施。「夕食時にビールを飲んだ。手術前の飲酒は不適切だった」と話した。
 名古屋市内で5日午後、記者会見した父親は「飲酒して平気で分娩したのに、謝ろうともせず許せない」と院長の対応を批判。クリニックは報道機関に対し「コメントは一切差し控える」と回答した。 (C)時事通信社