【バンコク時事】2日からオンライン形式で開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の外相会議で、域外国として参加する米国と中国が激しいさや当てを演じている。ASEANへの接近の意図を隠さない両国は、競うように地域に対する新型コロナウイルス対策支援の実績を誇示。一方で、互いの影響力を排除しようとけん制し合っている。
 中国の王毅外相は3日に行われたASEANとの外相会議で「ASEAN10カ国に1億9000万回分の新型コロナワクチンを提供した」と述べ、ASEANはコロナ対策の「最重要パートナーだ」と強調した。
 これに対し、ブリンケン米国務長官は4日の米ASEAN外相会議で、ASEAN各国に2300万回分以上のワクチンを提供し、約1億6000万ドル(約175億円)を支援したと説明した。ASEANのコロナ対策基金に50万ドルを拠出する計画も明らかにした。
 中国が海洋進出を強める南シナ海をめぐっても、両者は舌戦を繰り広げた。王氏は「南シナ海における中国の主権や権益は国際法に合致している」と主張。米国を念頭に「地域の領土・海洋争議に域外国が公然と介入し、平和と安定をかく乱している」と批判した。
 中国とASEANが策定を目指す紛争防止のための「行動規範」に関しては、「序文について基本的に一致した」と語った。ASEANとの交渉の進展を強調することで、米国の関与を封じる狙いが透けて見える。
 米国務省高官は一連の会議に先立ち、中国の人権問題も提起する意向を明らかにしていた。中国外務省は「4日の東アジアサミット外相会議で日米が中国を攻撃するため、新疆ウイグル自治区や香港の問題を持ち出した」と不快感を表明。王氏が「内政問題に対する無責任な発言」と反発したことを明らかにした。 (C)時事通信社