札幌市中心部で5日行われた東京五輪の男子20キロ競歩。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため観戦自粛が求められたが、競技を一目見ようと沿道には多くの人が詰め掛けた。移動を促す呼び掛けも効果が乏しく、密集状態となった場所もあった。
 「立ち止まっての観戦はやめてください」。大会組織委員会のスタッフらが拡声器で呼び掛けたが、沿道の人の反応は乏しい。コース沿いに張られた車道と歩道を隔てるフェンスの前に、観戦者が鈴なりとなった場所も。レースは日本人選手がメダルを争う展開となり、選手が通るたびに、スマートフォンをかざして写真撮影したり応援の拍手を送ったりする人が絶えなかった。
 札幌市の男子高校生(15)は「思ったより人が多いが、札幌での五輪だからやっぱり見たかった」と満足した様子。五輪観戦のため訪れたという大阪府の60代夫婦は「ワクチンも打ったので自己責任で来た。見られてうれしい」と興奮気味だった。
 一方、沿道からの移動を促していた20代の男性スタッフは「想像以上の人出。競技に夢中で誰も聞いてくれない」と困惑した。「観戦自粛」と書かれたプラカードを掲げた70代の男性ボランティアも「全然見てくれている感じがしない」と苦笑した。
 組織委は密防止を呼び掛けるスタッフを配置し、発着点の大通公園周辺を立ち入り禁止とするなどの対策を取ったが、結果的に多くの人が集まった。札幌市内では6日に女子20キロと男子50キロの競歩、7、8日に男女マラソンが行われる。組織委関係者は「対策を振り返り、今後の競技に生かす」と話した。 (C)時事通信社