新型コロナウイルスワクチンの危険性を主張する医師の著作をめぐり、東京メトロが「利用客に誤解を与える可能性がある」として、車内広告の撤去を始めたことが6日、同社への取材で分かった。公共交通機関が書籍の内容を理由に広告を撤去するのは異例。マスクには感染予防効果がないとする記述があり、「(車内でマスク着用を求める)東京メトロの案内と異なる」と抗議があったという。
 書籍は内科医の内海聡氏の著作「医師が教える新型コロナワクチンの正体」。同氏は前書きで「新型コロナウイルスが怖くない理由」「PCR検査が信用できない理由」「コロナワクチンが危険である理由」などについて書いたとしている。出版社によると、6月10日の発売前から予約が殺到し、発行部数13万部のベストセラーとなった。
 東京メトロによると、社内審査を経て今月1日までに掲示を始めたが、その後書籍に「マスクにはウイルスを防ぐ効果がない」との記述があることが判明。同社は車内でのマスク着用を呼び掛けており、協議の結果、誤解を招く可能性があるとして撤去を決めたという。
 広告は日比谷線や副都心線などの乗降ドアの上部に計2000カ所貼られていたが、順次撤去される見通し。出版元の「ユサブル」(東京都中央区)は「マスクに関する記述をめぐってクレームがあったと聞いている」と説明している。
 内海氏はツイッターやユーチューブでそれぞれ9万人超のフォロワーを抱え、「医学不要論」「ワクチン不要論」などの著作を多数出版している。ツイッターでは「ワクチンを打つと不妊リスクが激増する」「どんな解毒法も効果はない」などと投稿していたが、「誤解を招くツイート」と警告が表示されるようになり、7月にアカウントが凍結された。 (C)時事通信社