原爆投下から76年となった6日夜、広島市中区の原爆ドーム前を流れる元安川では、犠牲者の鎮魂と平和を祈る灯籠流しが行われた。新型コロナウイルスの感染拡大で12基に限定された灯籠には「ヒロシマの記憶を受け継ぐ」「世界が平和でありますように」などと記され、川面に向かって手を合わせる市民の姿も見られた。
 藤本イツエさん(89)=同市安佐南区=は、山口県から勤労奉仕で広島市に来ていた姉を原爆で亡くした。今でも見つからない姉を思って毎年祈りをささげ、自作の俳句を灯籠に書いて流してきたという。「12基ばかりだけど、みんなの心が詰まってるね」と話し、静かに見守っていた。
 主催団体のメンバーで、灯籠に「安らかに 穏やかに」と記した被爆2世の高田諭さん(57)=同市中区=は、父が10歳で被爆。陸軍に所属していた祖父も被爆し、遺骨も見つからなかったという。高田さんは流灯後、「平和に過ごすことが一番大切。当たり前に生きている日常に感謝したい」と語った。 (C)時事通信社