【ワシントン時事】米国経済が回復軌道に乗っている。新型コロナウイルスのワクチン普及が経済活動を後押しし、雇用の堅調な拡大が持続。連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策縮小を始められる環境へと前進しており、9月に判断するとの観測も浮上している。
 米労働省が6日発表した7月の雇用統計は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比94万3000人増加。接客や娯楽といったコロナの打撃を大きく受けたサービス業の改善が進み、7カ月連続でプラスとなった。失業率も5.9%から5.4%へと大きく下がった。
 国内総生産(GDP)の規模は、4~6月期にコロナ危機直前の水準を超え過去最大を更新。今年通年の成長率は約40年ぶりとなる7%台に届く勢いだ。バイデン大統領は6日演説し、政権の経済政策は「結果を出している」と自信を示した。
 景気回復を踏まえ、FRBはコロナ危機を受けて導入した量的緩和策の縮小開始へ議論を本格化させている。世界的に資金の流れが変わる可能性があり、金融政策変更のタイミングなどをめぐって関心が高まっている。
 FRBは、雇用と物価の目標へ「一段と大きく前進するまで」現状の量的緩和策を維持する方針を示している。目標への進捗(しんちょく)は「今後数回の政策会合で評価する」としているが、インフレ率については既に目標の2%を大幅に超えている。
 一方、今回の雇用統計では5、6月分の上方修正があり、労働市場の強さが裏付けられた。感染力の強いコロナ変異株のリスクが残るものの、「(9月発表の)8月分も極めて堅調であれば、FRBは9月に量的緩和の縮小開始を表明する可能性がある」(米銀エコノミスト)との見方が出ている。 (C)時事通信社