新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への日本における4番目の治療薬として登場した、モノクローナル抗体カシリビマブ(遺伝子組み換え)/イムデビマブ(遺伝子組み換え、商品名ロナプリーブ点滴静注セット)の抗体カクテル療法。軽症例への投与も可能であり、非感染者への予防効果も期待されていることから、COVID-19対策の切り札と捉える声もある。米国のバイオテクノロジー企業Regeneron PharmaceuticalsのMeagan P. O'Brien氏らは、家庭内での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対する抗体カクテル療法の予防効果を検証する二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験を実施。プラセボ群に比べて感染が約81%抑制されたと、N Engl J Med2021年8月4日オンライン版)に報告した。

回復までの期間も短縮

 O'Brien氏らは、家庭内でSARS-CoV-2感染例と接触後96時間以内に登録した、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)検査によりSARS-CoV-2陰性と判定または血清抗体検査で陰性の1,505人(12歳以上)を対象に、カシリビマブ/イムデビマブを計1,200mg皮下投与する群(抗体カクテル療法群)とプラセボ群に1:1でランダムに割り付けた。主要評価項目は、投与後28日までの症候性SARS-CoV-2感染の発生率とした。

 検討の結果、症候性SARS-CoV-2感染の発生率はプラセボ群の7.8%(752人中59例)に対し抗体カクテル療法群では1.5%(753人中11例)と、有意な感染予防効果が認められた〔相対リスク減少(RRR)81.4%、オッズ比(OR)0.17、95%CI 0.09〜0.33、P<0.001、〕。また、プラセボ群に対する抗体カクテル療法群のRRRは、投与後1週以内で71.9%、2〜4週で92.6%だった。抗体カクテル療法群の予防効果は、非症候性感染でも認められた(RRR 66.4%、OR 0.31、95%CI 0.21〜0.46、P<0.001)。

図. 主要評価項目:症候性SARS-CoV-2感染の発生率

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N Engl J Med 2021年8月4日オンライン版)

 なお、症候性SARS-CoV-2感染者における回復までの期間は、プラセボ群と比べ抗体カクテル療法群で2週間短く(3.2週 vs. 1.2週)、高ウイルス量(104copy/mL超)の持続期間も抗体カクテル療法群で0.9週間短かった(1.3週 vs. 0.4週)。

 以上の結果を踏まえ、同氏は「抗体カクテル療法の皮下投与により、家庭内でSARS-CoV-2感染者に接触した非感染者におけるCOVID-19発症予防効果が認められた」と結論。「家庭内感染例でも、症状や高ウイルス量の持続期間を短縮する」と指摘している。

(平山茂樹)