新型コロナウイルスのワクチン液を短時間で大量に粉末にできる技術の開発に、医薬品ベンチャーのモリモト医薬(大阪市)が成功した。生産効率が10倍高まるといい、来年の実用化を目指す。常温で保管できて扱いやすい粉末化が進めば、ワクチン接種の促進につながりそうだ。
 同社は、粉末ワクチンを連続して製造する装置を開発した。液剤をスプレーし瞬時に凍らせて粒子状にした後、約1日乾燥して粉末にする。昨年10月に特許を取得した。粉末ワクチンは生理食塩水などで液体に戻して接種する。
 これまでは瓶の中に液剤を入れ、約1週間かけて冷凍乾燥していた。同社の技術を活用すれば、一つの瓶に従来の5倍、接種25回分を入れられ、保管や輸送業務を効率化できる。
 同社は今後、製薬会社からコロナワクチンの提供を受け、粉末化によって有効性や安全性に問題が生じないか検証する。来年、本社内の工場に製造設備を設置し、年間で接種1億回分、瓶2000万本分を供給する体制を整える。盛本修司社長は「日本はワクチン競争で後れを取ったが、製剤では世界をリードしたい」と語った。
 液剤ワクチンは低温での管理や輸送が難しく、電源プラグ抜けなどの保管ミスによる廃棄が相次いだ。政府は6月に決定した国産ワクチンに関する強化戦略で、粉末ワクチンの開発や製造への支援を盛り込んでいる。 (C)時事通信社