新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は11日、首都圏などの医療提供体制について「もはや災害時に近い」との見解をまとめた。今後は「多くの命が救えない危機的な状況さえ危惧される」と強い懸念を示し、お盆期間中の帰省延期やマスク着用など感染対策の徹底を国民に求めた。
 専門家組織は、全国の新規感染者に関し、「急速なスピードで増加傾向が継続している」と指摘。東京都ではインド由来のデルタ株に感染した人の割合が新規感染者の95%に到達したと推計され、「ほぼ置き換わったと考えられる」とした。
 専門家組織の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は記者会見で、24日開幕の東京パラリンピックについて「個人的には(無観客だった五輪と)同等が望ましいのではと思う」と述べた。
 一方、厚労省によると、6月に報告された65歳以上の感染者のうち、ワクチン未接種者は5387人で、2回目を打ち終えた人は112人。致死率を比較すると、未接種者は4.31%だった一方、完了した人は0.89%と5分の1程度に低下した。脇田所長は「症例を積み重ねる必要があるが、ワクチンで重症化予防や死亡を抑える効果があると思われる」と指摘した。
 10日までの1週間に確認された人口10万人当たりの新規感染者は、東京が200.06人、沖縄が247.83人と200人台となった。埼玉(119.66人)、千葉(107.27人)、神奈川(140.27人)の首都圏3県も100人を超え、大阪(86.25人)、福岡(94.77人)などと全国的な拡大傾向に歯止めがかかっていない。 (C)時事通信社