24日開幕の東京パラリンピックは、原則無観客となる公算が大きくなった。緊急事態宣言を発令中の首都圏を中心に、新型コロナウイルス感染が深刻化しているためだ。一方、政府は開催地などの小中高生らが会場で競技を見る「学校連携観戦プログラム」の実現を模索。来週にも東京都、大会組織委員会などと開く5者協議で、観客の扱いを決定する。
 「安全・安心な大会の実現に向けて全力を尽くしたい」。菅義偉首相は10日、バイデン米大統領との電話会談で、パラリンピック開催への決意を語った。
 首相はこれまで、東京都などの感染状況が改善した場合の観客入り開催に、強いこだわりを見せてきた。首相周辺も「もう少し感染状況を見るが、できれば観客は入れたい」と意欲を隠さない。
 しかし、首都圏では緊急事態宣言の発令後も、感染状況が改善する兆しは見えない。都内の新規感染者数は11日、4200人に上った。
 こうした状況に、政府関係者は「パラリンピックは無観客になる」と明言。組織委幹部も「多くの会場で観客入りは難しい」との見通しを示した。
 政府は、一般客の受け入れを断念しても、子どもたちの観戦機会は確保したい考えだ。教育的な意義を重視しており、政府高官は「何とかして実施したい」と強調。競技会場のある東京、埼玉、千葉、静岡の4都県でも、一部自治体から「選択肢の一つ」などと歓迎の声が上がる。
 ただ、限定的でもパラリンピックを有観客とすることへの懸念は尽きない。全国知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)は10日の会合で、都内の新規感染者が1万人を超えるとの予測に触れ、「大変な状況になってきた。開催に支障を来すのではないか」と指摘した。 (C)時事通信社