【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスのデルタ株の感染が広がる中、米株式市場では代表的指標のダウ工業株30種平均が連日、史上最高値を更新している。背景には、ワクチンの普及により「ロックダウン(都市封鎖)のような厳しい規制措置は必要ない」(英調査会社)との楽観的な見方がある。
 バイデン米政権によるインフラ整備を中心とした新たな財政出動への期待や、順調な経済の回復を追い風に、景気動向の影響を受けやすい業種が上昇。ダウ平均を最高値圏に押し上げている。
 一方、米疾病対策センター(CDC)によると、1日当たりのコロナ感染者数は8月、10万人を突破した。6月下旬から約10倍に急増しており、デルタ株の猛威にさらされている格好だ。ただ、死者数は9日時点で1日400人余りと、2倍弱にとどまる。ワクチンが重症化を抑えているとみられ、市場の楽観につながっている。
 デルタ株は感染力が強く、ワクチンの接種率が低い地域を中心に入院患者が増加し、医療体制の逼迫(ひっぱく)も一部で見受けられる。また、米サウスウエスト航空では8月に入り、航空券予約の回復が鈍化した。消費者が感染を恐れ、自主的に行動を抑制すれば、景気回復の足かせとなりかねない。 (C)時事通信社