ガソリン価格が高止まりする中、新型コロナウイルス感染拡大による移動の自粛要請で、行楽地などの給油所が苦境にあえいでいる。コロナ収束が見通せない上、ガソリン高で車利用が減れば「経営が立ち行かない」との声も上がる。
 経済産業省が12日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格(10日時点)は、全国平均で前週比30銭高の158円50銭と2週間ぶりに上昇。原油相場を反映し、昨年同期比では約20円の大幅高となった。
 都心から車で数時間圏内とアクセスの良さで知られる山中湖(山梨県)周辺のある給油所では、昨年夏の客足がコロナ禍前の2019年比で約5割に落ち込み、今夏も8割程度までしか戻っていない。他人との接触を避けられるマイカーを見直す動きはあるが、「学生の合宿や外国人のツアーバスなどの客は戻る気配がない」(経営者)。
 経産省によると、ピーク時の1994年度末に全国で約6万カ所あった給油所は、20年度末時点で2万9005カ所まで減少。ハイブリッド車の普及などによるガソリン需要の縮小が主な要因だが、コロナ禍に加え、各国で進む「脱ガソリン車」の動きなど逆風は強まる一方だ。
 業界関係者は「飲食やホテルに比べれば、コロナの影響はまだ小さい」と話す。ただ、環境は年々厳しさを増しており、「経営者が事業継続への意欲を失いつつある」との指摘も聞かれる。 (C)時事通信社