イーライリリーとインサイトは、新型コロナウイルス(COVID-19)に罹患した入院患者を対象にJAK阻害薬バリシチニブの有効性および安全性を検討した第Ⅲ相ランダム化比較試験(RCT)COV-BARRIERのサブ解析結果を発表。プラセボ群と比べ、バリシチニブ群では侵襲的人工呼吸管理下にある、または体外式膜型人工肺(ECMO)を使用している重症COVID-19患者の死亡リスクを有意に低下させたと報告した。(関連記事「COVID-19へのバリシチニブ、米・FDAが緊急使用を拡大」)

投与開始後28日時点までに死亡リスクが46%低下

 COV-BARRIERのサブ解析では、ベースライン時に侵襲的人工呼吸管理またはECMOを要する成人COVID-19患者101例を対象に、副腎皮質ステロイドを含む標準療法へのバリシチニブ上乗せの有効性および安全性をプラセボと比較した。

 対象をバリシチニブ群51例とプラセボ群50例にランダムに割り付け、投与開始後28日時点および60日時点の死亡率と人工呼吸管理が不要であった日数を比較した。

 その結果、投与開始後28日時点までの死亡リスクについて、プラセボ群と比べバリシチニブ群では46%有意に低かった〔ハザード比(HR)0.54、95%CI 0.31~0.96、名目上のP=0.0296〕。

 また、投与開始後28日時点までに死亡した患者の累積割合は、バリシチニブ群で39.2%(51例中20例)、プラセボ群で58%(50例中29例)だった。

 投与開始後60日時点までの死亡リスクについても、プラセボ群に対するバリシチニブ群の優越性が認められ(HR 0.56、96%CI 0.33~0.97)、死亡患者の累積割合はバリシチニブ群で45.1%(51例中23例)、プラセボ群で62.0%(50例中31例)だった。

静脈血栓塞栓関連事象含め有害事象の発現頻度はプラセボと同程度

 投与開始後28日時点までの有害事象、重篤な有害事象、重篤な感染症の発現頻度は、バリシチニブ群でそれぞれ88%、50%、44%と、プラセボ群(95.9%、71.4%、53.1%)と同程度。静脈血栓塞栓関連事象はバリシチニブ群の6%、プラセボ群の6.1%で報告された。

 イーライリリーによると、今回のサブ解析の詳細な結果は今後学術誌および学会で発表する予定で、COV-BARRIER試験の主解析結果も順次公表予定であるという。

(陶山慎晃)