【ロンドン時事】英国イングランドで新型コロナウイルス対策規制が全面的に解除されてから間もなく1カ月になる。懸念された感染者の急増はなく、飲食店や劇場、競技場に多くの客が戻った。急ピッチのワクチン接種が流行抑制につながったのは間違いない。ただ、感染力の強いデルタ株はワクチン接種後も感染することが判明。複数の専門家は、大多数の人に免疫ができる「集団免疫」による流行収束は困難とみている。
 集会など、さまざまな規制は先月19日に解除された。ウェールズやスコットランドでも今月、ほとんどの活動制限がなくなった。この週末、サッカーのプロリーグ戦が始まり、クリケットの国際試合、コンサートなどイベントが目白押しで、人出は最大170万人に上るとみられている。
 英国では13日までに成人の76%がワクチンの2回目の接種を終えた。保健省は最近、ワクチン接種で「約6万人が命を救われ、6万6900人が入院を免れた」とする分析結果を示した。約2200万人が感染せずに済んだとしている。
 一方、インペリアル・カレッジ・ロンドンは4日、ワクチンを2回接種後、デルタ株に感染するリスクは50~60%低下するとの調査結果を明らかにした。これはワクチン接種後も半数近くが感染する恐れのあることを意味する。
 ワクチン政策に関する政府の諮問委員会で座長を務めるオックスフォード大のアンドリュー・ポラード教授は10日、議員団に「デルタ株がワクチンを打った人にも感染するのは明らかだ」と説明。ウイルスの変異が続く可能性があることも考慮すると、集団免疫が機能するのは難しいとの認識を示した。集団免疫が成立すれば、ワクチンを打っていない人や非感染者にウイルスが広がらないことが期待できるが、教授は新型コロナに関しては「神話だ」と述べた。 (C)時事通信社