終戦から76年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれた。天皇、皇后両陛下や菅義偉首相、遺族らが参列。天皇陛下はお言葉で、今年も「深い反省」との表現で追悼の意を表し、感染拡大が続く新型コロナウイルスにも言及された。
 今年は都内に緊急事態宣言が発令されていることを考慮し、過去最少規模での開催となった。厚生労働省によると、当日の参列者は計185人。同省は東京を除く各道府県からの参列遺族を原則1人に限定しており、大阪、沖縄など22府県の遺族代表が欠席した。
 式典は午前11時50分すぎに開始。正午からは参列者全員で1分間の黙とうをささげた。続いて、天皇陛下が「深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」とお言葉を読み上げた。新型コロナについては「私たち皆がなお一層心を一つにし、力を合わせてこの困難を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」と述べた。
 これに先立ち、菅首相は式辞で「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない、この信念をこれからも貫いてまいります」と強調。安倍晋三前首相に続き、アジア諸国に対する責任には言及しなかった。
 父が中国で戦病死した柿原啓志さん(85)=兵庫県丹波市=は、遺族代表として「犠牲として亡くなられたのは、今の日本に暮らすのと同じごく普通の生活を過ごしていた方たちであったことに、どうか気付いてほしい」と追悼の辞を読み上げた。
 厚労省によると、参列した遺族は計53人で、うち18歳未満は3人。12日時点の集計では、70代以上が7割超を占め、戦没者の孫やひ孫など戦後生まれは約3割だった。最高齢は94歳、最年少は16歳。戦没者の配偶者は、初めて一人も参列しなかった。
 感染防止のため、昨年に続いて国歌斉唱は取りやめとなり、演奏のみ行われた。 (C)時事通信社