世界保健機関(WHO)は8月11日、連帯治験PLUSにおいて新型コロナウイルス感染症(COVD-19)入院患者を登録し、3種の薬剤(artesunate、イマチニブ、インフリキシマブ)について試験を開始すると発表した。これらはCOVID-19入院患者の死亡リスクを低減する可能性があるという。

単一プロトコルで複数の治療法を同時に評価

 今回試験が開始される3種の薬剤(artesunate、イマチニブ、インフリキシマブ)は、COVID-19入院患者の死亡リスク低減の可能性があるとして、独立した専門家委員会により選択された。artesunateは重症マラリア、イマチニブは特定のがん、インフリキシマブは関節リウマチやクローン病など自己免疫疾患の治療薬として既に使用されている。

 WHO事務局長のTedros Adhanom Ghebreyesu氏は「COVID-19患者のための有効で利用しやすい治療法を見つけることは依然として重要な課題で、WHOはこの世界的な取り組みを主導している」とし、「連帯治験に対する参加国政府、製薬会社、医療機関、臨床医、患者の協力に感謝する」と述べている。

 連帯治験PLUSは、WHO加盟国間で最大の国際共同試験のプラットフォームで、現在52カ国600以上の医療機関から数千人の研究者が参加しており、第1段階の試験当初より16カ国増えている。連帯治験では単一のプロトコルを使用して同時に複数の治療法が評価でき、死亡率などを含む薬剤が及ぼす影響についても推定が可能。また、試験期間中に新たな治療法の追加や効果がない治療法の中止などができる。

 以前、連帯治験ではCOVID-19入院患者に対する4種の薬剤(レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル、インターフェロン)について評価を行っていたが、いずれもほとんどまたは全く効果が見られなかった。(関連記事「新型コロナ治療薬4剤、有効性示さず」)

(慶野 永)