KDDI(au)など携帯電話大手がスマートフォンのアプリを通じたオンライン診療の提供に乗り出している。健康管理アプリに、テレビ電話で医師の診察や薬剤師の服薬指導が受けられる機能を追加。健康志向の高まりに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う非対面ニーズを捉え、生活に深く関わる一貫したサービスで顧客基盤を強化する狙いだ。
 「コロナであまり病院に出掛けるのも気が引ける」。東京都内の会社員女性(27)は18日、KDDIの健康アプリ「auウェルネス」で初めてオンライン診療を利用した。肌荒れの症状について皮膚科医の診察を受け、「思ったよりも簡単。実際に話しているような安心感も得られたので、また使ってみたい」と話した。
 スマホは広く普及し、常に持ち歩くため、健康管理や医療での活用に適している。KDDIは今年6月、歩数や消費カロリーなどを管理できるauウェルネスでオンライン診療の提供を始めた。体調不良時などに1回330円で診療を受けられる。9月には薬剤師による服薬指導も開始する。担当者は「さまざまな局面の課題を解決できるサービスを一つのアプリで提供したい」と話し、今後も機能を拡充させる考えだ。
 ソフトバンクは企業の福利厚生向けなどに展開する健康管理アプリで、オンライン診療を提供。従業員の健康に関する意識が高い企業などが導入しているという。NTTドコモは医療ITのメドレーと資本・業務提携した。年内にドコモの顧客IDでメドレーのオンライン診療アプリを利用できるようにする。
 オンライン診療は昨年4月、コロナ禍収束までの特例措置として初診も解禁された。政府内では恒久化に向けた議論も進む。ソフトバンクのアプリを運営する同社関連会社の幹部は、コロナ感染拡大を受け「当初想定より早く市場環境が整った」と事業拡大に意欲を示す。
 総務省は今年度、全国約1800カ所で開く高齢者ら向けのスマホの使い方講習会で、オンライン診療を講座テーマに設定。普及を後押しする。 (C)時事通信社