米疾病対策センター(CDC)COVID-19 Response TeamのAnne M. Hause氏らは、米国でファイザー製の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンを接種した12~17歳の青少年に発現した副反応9,246件のデータを解析。9.3%が心筋炎(4.3%)を含む重篤な副反応だったとMMWR Morb Mortal Wkly Rep2021; 70: 1053-1058)に発表した。米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、ワクチン接種のリスク・ベネフィット評価からベネフィットが心筋炎のリスクを上回ると結論し、引き続き12歳以上の全国民に対するファイザー製ワクチンの接種を推奨するとしている。

VAERSの解析:頻度高い副反応は、めまい、失神、頭痛

 今年(2021年)7月の時点で、米食品医薬品局(FDA)が12~17歳への接種を承認しているSARS-CoV-2ワクチンはファイザー製のみで、約890万人が接種を受けている。しかし6月以降、主に2回目接種後の若年男性で心筋炎を発症するケースが報告され始めた。

 そこでHause氏らは、CDCとFDAが共同運営するワクチン有害事象報告システム(VAERS)と、CDCが開発したスマートフォンによるワクチン有害事象追跡システムv-safeに登録されているデータを解析し、12~17歳に対するファイザー製ワクチン接種の安全性を検証した。

 まずVAERSの解析では、2020年12月14日~21年7月16日にファイザー製ワクチンを接種した12~17歳に発現した副反応は9,246件で、90.7%が非重篤、9.3%が心筋炎(4.3%)を含む重篤なものだった。

 全ての副反応で最も頻度が高かったのはめまい(20.1%)で、次いで失神(13.3%)、頭痛(11.1%)の順だった。失神の症例定義を満たした例の60.8%が女性(年齢中央値15歳)に発現していた。

 一方、重篤な副反応は70.6%が男性(年齢中央値15歳)に生じていた。そのうち最も発現率が高かったのは胸痛(56.4%)で、次いでトロポニン値上昇(41.7%)、心筋炎(40.3%)、C反応性蛋白質値上昇(30.6%)の順だった。ワクチン接種後の死亡は14例で、心筋炎が死因と判定された例はなかった。

v-safeの解析:4分の1が2回目接種後、日常生活動作に支障

 v-safeについては、2020年12月14日~21年7月16日にファイザー製ワクチンを接種した12~17歳の12万9,059人が登録し、接種後の健康状態を自己申告していた(15歳未満は保護者が登録)。

 副反応の発現率は局所性反応が63.4%、全身性反応が48.9%で、承認前の臨床試験の結果と同等だった。全身性反応の発現率は、12~15歳で1回目接種後より2回目接種後で高く(48.9% vs. 63.4%)、16~17歳でも同様だった(55.7% vs. 69.9%)。

 副反応で最も頻度が高かったのは、注射部位疼痛(12~15歳:1回目接種後61.2%、2回目接種後59.9%、16~17歳:同60.2%、62.0%)、次いで疲労感(同27.4%、44.6%、34.1%、52.3%)、頭痛(同25.2%、43.7%、29.8%、50.6%)、筋肉痛(同21.4%、31.4%、25.4%、40.7%)の順だった。

2回目接種後に約3分の1で発熱

 全体の約3分の1(12~15歳:29.9%、16~17歳:31.0%)で2回目接種後に発熱が見られ、約4分の1(同23.1%、24.7%)は2回目接種の翌日に日常の生活に支障を来したと報告した。

 1回目または2回目の接種後1週間以内に治療を要した割合は1%未満(0.5~0.8%)、入院は0.02~0.04%だった。ただし、v-safeには入院理由が記録されていないため、ワクチン接種との関連は不明だという。

 以上を踏まえ、Hause氏らは「これらの解析結果は、まれであるが重篤な副反応として市販後調査で検出された心筋炎を除き、ファイザー製ワクチンの承認前の臨床試験における12~25歳の安全性データと一致している」と結論。「ただし、今回は国際医薬用語集(MedDRA)収載用語"myocarditis"を含む報告のみを抽出しており、全ての心筋炎症例を特定できる研究デザインではない」と付言している。

(太田敦子)