政府は新型コロナウイルスワクチンの2回接種が完了した人に対し、追加の「3回目」接種を実施する調整に入った。感染力が高いインド由来のデルタ株流行を踏まえ、ワクチンの感染予防効果の持続が目的。希望者全員への2回接種完了をにらみつつ、来年初めには医療従事者らを対象に3回目接種を本格化させたい考えだ。
 日本で主に使用されている米ファイザー製やモデルナ製のワクチンは2回の接種で重症化予防に十分な効果が得られるとされる。一方、デルタ株が急拡大する中、感染予防効果は時間の経過で減少するとの調査結果が確認されている。
 欧米諸国では3回目接種の動きが相次ぐ。英国やドイツ、フランスは9月から開始する方向で、イスラエルは今月から追加接種に着手。米国では9月下旬から追加の「ブースター接種」を始めると発表した。
 政府は追加接種を見据え、モデルナ社と来年に5000万回分の供給を受ける契約を締結。ファイザー社からは1億2000万回分の供給に向け調整中で、米ノババックス社とも協議している。ワクチン確保をめぐっては、先進各国と比べ「後手に回った」との批判が相次いだことから、政府関係者は「早めの調整を進めている」と話す。
 開始時期について、河野太郎規制改革担当相は19日の参院内閣委員会で「米国が(2回目接種から)8カ月たったリスクの高い人から始める話もある。(国内で)2月に接種を始めた医療従事者で8カ月というと10月になる」と指摘。ただ、首相周辺は希望者への2回接種完了を最優先する考えを示し、「追加接種は来年初めを想定している」と説明する。今後、具体的な時期や接種対象について厚生労働省の審議会で議論される運びだ。
 一方、世界保健機関(WHO)は、途上国などで多くの人が接種を受けられない状況が続く中、先進国での追加接種の動きに自制を求めている。「ワクチン格差」を放置すれば、接種が進まない地域で新型コロナの流行が収まらず、ウイルスの変異がさらに進むとの懸念もある。 (C)時事通信社