新型コロナウイルス感染拡大が止まらない中、東京パラリンピックが24日開幕する。東京都は修学旅行なども含め不要不急の外出自粛を求める一方、児童生徒の「学校連携観戦プログラム」は行う方針だ。こうした特別扱いは8日閉幕した東京五輪でも目立ち、有識者だけでなく都庁内からも懸念の声が出ている。
 「最大級、災害級の危機」「旅行や帰省はあきらめて」。小池百合子知事が13日の定例記者会見で都民にこう呼び掛けた3日後、政府などとの4者協議でパラリンピックの無観客開催が決定。中止は議論されず、学校連携観戦の実施も決まった。18日時点で都内8自治体と都立・私立59校の計13万8000人が参加の意向。五輪では中止したが、小池氏は「共生社会の実現に向けた教育的要素が大きい」と強調した。
 これに異議を唱えたのが、都教育委員だ。18日の臨時会では全5人中4人が感染状況の悪化を理由に「リスクが高い」「マイナスのアナウンス効果だ」と反対意見を表明。翌日には政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長も国会で否定的な見解を示した。
 これに小池氏は「ご意見を参考にしながら、より安心安全な形でできるよう準備を進める」と説明したが、都が新たに示した児童生徒の感染対策は、貸し切りバスの活用にとどまっている。
 五輪開幕時は1000人台だった新規感染者は大会期間中に5000人を超えた。閉幕後も医療逼迫(ひっぱく)は続くが、都や国は五輪開催と感染拡大の関係を否定し、小池氏は中継の高視聴率を挙げ「ステイホームに一役買っている」。モニタリング会議で専門家が「競技場周辺に大勢が集まった」と指摘すると「印象論だ」と反論した。
 都が示した大会中の会場周辺の人出データは、7月上旬と比べ一時的に増えはしたが全体的に減少している。ただ緊急事態宣言が出たことを考慮すれば減り幅は鈍い。小池氏は20日の会見で改めてパラリンピック開催に理解を求めたが、都幹部は「五輪ムードが外出を招いた側面もあるはず」と指摘した上で「その検証がなければ、パラ開催も学校観戦も理解を得られないだろう」と話す。 (C)時事通信社