アストラゼネカは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防・治療を適応として開発中の抗体医薬AZD7442について、国際共同第Ⅲ相多施設二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験PROVENTでCOVID-19の発症リスクを77%抑制することが示されたと発表した。8月20日、同社の公式サイトで公表された。

87カ国、5,100例超が対象

 AZD7442は、米・Vanderbilt Universityが発見した抗体医薬候補で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した回復期の患者から提供されたB細胞に由来する2種の長時間作用型抗体(LAAB)を組み合わせた薬剤。昨年(2020年)11月に予防効果を検証する国際共同第Ⅲ相臨床試験PROVENTおよびSTORM-CHASERが、今年1月には治療効果を検証する国際共同第Ⅲ相臨床試験TACKLEが開始されていた。

 今回結果が発表されたPROVENTは、プラセボを対照としてAZD7442 300mg単回投与の有効性と安全性を検討したもの。米国、英国、スペイン、フランス、ベルギーなど87カ国で登録した18歳以上の5,197例を、AZD7442群とプラセボ群に2:1でランダムに割り付け、15カ月間追跡した。

 ベースライン時にSARS-CoV-2感染が認められなかった5,172例を解析した結果、プラセボ群に対しAZD7442群ではCOVID-19発症リスクが77%(95%CI 46〜90%)抑制された。全体で症候性COVID-19を25例が発症したが、AZD7442群ではCOVID-19の重症化あるいは関連死は認められなかった。一方、プラセボ群では重症化が3例(うち2例が死亡)認められた。

 COVID-19に対する抗体療法について、日本ではモノクローナル抗体カシリビマブ(遺伝子組み換え)/イムデビマブ(遺伝子組み換え)が承認され、COVID-19対策の切り札として期待する声がある。AZD7442は日本でもTACKLE試験および男女32例を対象とした第Ⅰ相臨床試験が進行中であり、結果が注目される。

(平山茂樹)