新規片頭痛治療薬の有用性が示された。米・MedStar Georgetown University HospitalのJessica Ailani氏らは、約800例の片頭痛患者を対象に経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬atogepantの有効性と安全性を、第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験ADVANCEで検証。その結果、atogepantの1日1回経口投与で12週間にわたり頭痛および片頭痛の発症日数がほぼ半減したとN Engl J Med2021;385:695-706)に発表した(関連記事「新薬登場で変貌する頭痛診療)。

1カ月当たりの頭痛発症日数や片頭痛治療薬使用日数も有意に減少

 ADVANCEでは、1カ月当たりの片頭痛の発症日数が4~14日の成人873例を1:1:1:1で4群(atogepant 10mg群214例、同30mg群223例、同60mg群222例、プラセボ群214例)にランダムに割り付けて12週間治療した(いずれの群も1日1回経口投与)。主要評価項目は、ベースラインからの治療期間12週間における1カ月当たりの片頭痛発症日数の変化(1、2、3カ月目の平均値)とした。

 解析の結果、ベースラインでの1カ月当たりの片頭痛発症日数は、4群で7.5~7.9日の幅があった。

 主要評価項目は、プラセボ群の-2.5日と比べてatogepant 10mg群で-3.7日(プラセボ群との差-1.2日、95%CI -1.8~-0.6日)、同30mg群で-3.9日(同-1.4日、-1.9~-0.8日)、同60mg群で-4.2日(同-1.7日、-2.3~-1.2日)と、1カ月当たりの片頭痛発症日数の変化はatogepantの3群とも有意に減少した(全てP<0.001)。

 副次評価項目の解析では、1カ月当たりの頭痛発症日数、片頭痛治療薬の使用日数、片頭痛発症日数が50%以上減少した患者の割合において、プラセボ群と比べてatogepant全3群で有意な改善が認められた(全てP<0.001)。ただし、片頭痛による活動障害の評価尺度Activity Impairment in Migraine-Diary(AIM-D)の日常活動能力(Performance of Daily Activities)および身体障害(Physical Impairment)のスコアについては、atogepant 10mg群で有意差がなかった(P=0.09)。

主な有害事象は便秘と悪心、重篤な肝障害なし

 有害事象の発現率はatogepant全3群とプラセボ群で差がなく、atogepantの用量による差もなかった。atogepant全3群で最も発現率が高かった有害事象は便秘(6.9~7.7%)で、次いで悪心(4.4~6.1%)、上気道感染症(1.4~3.9%)の順だった。重篤な有害事象は、喘息および視神経炎がatogepant 10mg群で各1例発現した。

 また、正常範囲上限の3倍以上のALT/AST上昇がatogepant 10mg群の2例、同薬30mg群の2例、同薬60mg群の1例、プラセボ群の4例で発生したが、重篤な肝障害は認められなかった。

 以上を踏まえ、Ailani氏らは「atogepantの1日1回経口投与は、12週間にわたり頭痛および片頭痛の発症日数を減少させる効果が認められた」と結論。「片頭痛の予防におけるatogepantの有効性と安全性を検証するには、さらに期間と規模を拡大した試験が必要」と付言している。

(太田敦子)