新型コロナウイルスの感染急拡大が収まらない中、夏休み明けの学校再開に向け、全国の自治体が対応に苦慮している。政府は全国一斉の休校は要請せず、自治体に対応を委ねる意向。一方で子どもを通じて家庭に感染が広がる懸念もあり、夏休みの延長や分散登校を決める自治体も出ている。
 新学期の対応について、萩生田光一文部科学相は20日、「地域の事情に合わせて判断を変えていくということで、国としての一斉休校は行わない」と説明。そのため自治体の判断が分かれている。
 札幌市では予定通り、23日から中学校の2学期が始まった。一方、東京都は現時点で一斉休校は求めず、状況に応じて時差登校や短縮授業の検討を要請する通知を出した。大阪府も一斉休校はしないが、修学旅行を原則延期したほか、部活動の一部を中止に。愛知県も修学旅行の休止を検討するなど、行事を見直す動きは広がっている。
 一方、横浜市は市内の小中学校など約500校を対象に、26日までの夏休みを延長し31日まで臨時休校にした。市教委の担当者は「感染状況が厳しく、保護者から再開を不安視する声も寄せられた」と明かす。神奈川県内では川崎、相模原両市も小中学校の8月末までの休校を決定。東京都調布市は小中学校を9月5日まで休校にした。
 分散登校に踏み切るケースも多い。群馬県の県立学校では2学期の始業式から9月12日まで、生徒らを分けて交代で登校。熊本市では小中学校について、オンライン授業と登校日を学年ごとに分ける方式を1日から10日まで導入する。
 岐阜県では、県立高校の2学期の授業を当面オンラインで実施。県教委の担当者は「高校は通学エリアが広く、感染リスクが小中学校より高い」と説明している。大阪府寝屋川市も夏休み明けの登校を見合わせ、小中学校は8月27日までオンライン授業としている。
 政府は学校での感染防止対策として小中学校に抗原検査の簡易キットを配布する方針。教職員のワクチン接種も促すが、10代以下の子どもの感染も急増する中、自治体からは「看過できない状況になれば一斉休校も判断としてあり得る」(吉村洋文大阪府知事)との声が出ている。 (C)時事通信社