家電量販大手が店舗への集客に力を入れている。全館で米アップル製品に特化したり家具とセットで展示したり、店舗ならではの手法で製品やサービスを売り込む。家電市場では新型コロナウイルス感染拡大に伴う「巣ごもり消費」が息切れしつつある。インターネット通販の人気が高まる一方で、各社は顧客の囲い込みへ知恵を絞る。
 家電量販各社は昨年、コロナ禍を受けた一人10万円の給付金や在宅勤務の普及などを追い風に、パソコンなどの販売を伸ばした。しかし、これらの特需は一巡し、感染急拡大による外出自粛の影響も懸念されている。
 こうした中、ビックカメラは7月末、東京・池袋駅前に、アップル製のパソコン、携帯電話やスマートウオッチを豊富にそろえたセレクト店を出店した。こだわりの強いアップルファンを意識した店づくりで、担当者は「先進的な商品情報を発信したい」と話す。セレクト店は全国に4店舗。好立地だが敷地が狭く、従来出店が難しかった場所で新規客を呼び込む。
 ヤマダデンキ(群馬県高崎市)は、家電からインテリアまで扱う「テックライフセレクト」を神戸市などで展開。グループの大塚家具のコーナーなど、売り場の半分を家電以外が占める。リビングや台所などを模したスペースに電気製品を置き、「実際の部屋の雰囲気を感じてもらう」(広報)展示で顧客に訴える。
 ノジマは、商業施設や駅前への出店を進める。コロナ禍で都市部のテナントが相次ぎ撤退し、好立地の空き物件が増えており、客層を広げる好機と捉えている。 (C)時事通信社